お悩みQ&A 日直や給食当番をやらせてもらえません(会報2024年12月号より)
東京都・運営委員 片桐健司
〈相談〉 小学校低学年です。日直や給食当番をうまくできないからとやらせてもらえません。このままでいいでしょうか。
〈お答え〉 このままではいけません。日直や給食当番のほか、掃除当番、係の仕事など、学級には様々な活動があります。こういった活動も学校教育の一つですから、やらなくてよいということにはなりません。担任は、できるできないではなく、どの子にもそういう機会を与えなければなりません。その子がうまくできないことは、周りの子が手伝ったり、担任が補助したりしながら、少しずつでもその子が参加できるようにして、やり方を覚えていくように工夫してほしいものです。それは、その子にとっても周りの子にとっても良い経験になり、そういう経験がよい学びにつながっていくと思います。
学級の様々な活動は、みんながうまくやれればそれでよいように思うかもしれません。担任にとっても、ラクかもしれません。でも実際には、けんかが始まったり給食をひっくりかえしたり大騒ぎになることがしょっちゅうです。そこで先生におこられたり、友だちと言い争ったりしながら、どうやったら仕事がうまくいくのかを考えていく、そこに「教育」があります。
もう一つここには大切なことがあります。日直や当番を与えられない子どもの気持ちです。ほかの子は日直をしているのに、なんで自分はさせてもらえないんだろうと、疎外感を感じているのではないでしょうか。クラスの一人として認めてもらえないということがどれだけ子どもを傷つけているかということを担任は考えなければいけません。うまく言葉が出なくても、一所懸命やろうとするその子をみんなが応援したりすることで、その子も周りの子もお互いのつながりを感じ、自分がクラスの一員であることを感じることができるのだと思います。
これは、係の仕事に限らず授業の中でも、発言する場面があったり、みんなの前で発表する機会があったりすることで、自分もここに参加している一人だという気持ちを高めることになります。そういう意識がその子を育てる大切な気持ちにつながります。 日直や当番の仕事を外されていたら、子どもの心が傷ついていることをわかってもらい、みんなと同じようにやらせてください、と担任に伝えましょう。