「普通学級就学希望を拒むな!」 国連2022年総括所見(勧告)実現を求める院内集会アピール
私たちは、本日、参議院議員会館において院内集会を開催しました。
私たちは、共に学び育つインクルーシブ教育の実現を求めています。そのためには2022 年の国連勧告(総括所見)の実現が必要です。しかし、政府文部科学省は、障害者権利条約を批准しておきながら、その実施を頑なに拒否しています。
私たちは国会議員の方々に訴えを届けたいと本集会に参加をお願いし、党派を超えて議員に本気になって取り組んでほしいという気持ちをお伝えしました。本日の集会に向けて全国の共に生き、共に育つことを願う多くの方々から共感と賛同のメッセージをいただいています。
昨年7月3日には最高裁が旧優生保護法は立法時に遡って憲法違反であったとして、国に賠償を命じました。これは、原告が全面勝利しただけではなく、優生思想による障害者差別と闘っているすべての人々の勝利でもあります。
この判決を受けて「真摯に反省し」と公言する内閣府が設置した「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」(本部長 石破茂首相)は、昨年末に「行動計画」を出しました。しかし、「障害のある人とない人が共に学び共に育つ教育を推進すること」と言いながら、その中身は交流及び共同学習、心のバリアフリーの指導と、従来の分離教育から何も変わっていません。現在の日本政府は最高裁判決を理解していないことは明らかです。
これでは障害者は学校で分けられた上に、職場や地域社会でも、一生他の人々からは切り離されたままです。2022 年に国連障害者権利委員会から日本政府に出された総括所見は、共に生き育つ教育を進めるインクルーシブ教育だけではなく、障害のある人もない人も共に地域社会で生きていけるように大幅な政策の転換を求めています。
私たちは、文部科学省と政府に対し、国連勧告(総括所見)と、旧優生保護法違憲判決を真摯に受け止め、全面的な法制度の点検と改正に向けて、障害児・者の人権を保障するために以下の5項目を要請します。また、その実現のために、議員の皆様には、国会においての取り組み、根本的な論議を期待します。
1.障害のある子どもの普通学級への就学・転入希望を拒否しないこと
2.親子の合理的調整(配慮)の求めに真摯に応じること
3.子どもの多様性を尊重し、普通学級の競争的な教育をやめること
4.高校入試での定員内不合格をなくし、希望者全入にすること
5.教員へのインクルーシブ教育・人権モデルに関する研修を行うこと
以上
2025 年2 月21 日 国連2022 年総括所見(勧告)の実現を求める院内集会参加者一同_