第22回障害児を普通学校へ・全国交流集会 in埼玉 ― 盛会のうちに終了 ― (会報2026年1月号より)
埼玉実行委員会 関 啓子
11月22、23日に埼玉で開催された全国交流集会には、参加者、介助者、ボランティアを含め、北海道から九州まで230名ほどが参加し、盛況に開催されました。全体会・分科会ともに、各地での活動実践や実体験に基づく貴重な報告・お話を伺うことができました。分科会報告は別稿にありますので、全体会を報告していきたいと思います。
開催行事では、急遽駆けつけていただいた参議院議員の天畠大輔議員(れいわ)と木村英子議員(れいわ)からもごあいさつをいただきました。野島久美子実行委員長のあいさつでは埼玉の運動の歴史をまとめた動画も上映されました。
シンポジウム「出会えないのはなぜ?」
まずファシリテーターの小国喜弘さんから「日本の子どもと学校の現在地」をさまざまなデータから、不登校・日本語指導が必要な子・特別支援教育を受ける子・暴力行為発生件数が増加している現状が提示されました。特別支援の対象となる子どもの割合に関する国際比較で、日本は低いのだが、そもそも特別支援の対象・内容が移民の子の語学指導などで日本とは単純に比較できない。次に「この50年を改めて振り返ると」では、八木下浩一さん「街に生きること、その延長としての地域の普通学校」、金井康治さん「ぼくはにんげんだ」、三井絹子さん「わたしはにんぎょうじゃない。ふつうにいきたい」、徳田茂さん「差別している健常者としての『私』という問題提起」、篠原睦治さん「生活の場としての学校。専門家幻想批判」、北村小夜さん「『普通』を問い直す、排除の装置としての普通学級」、渡部淳さん「『障害児』としてラベリングすることへの根底的批判・専門主義専門家批判」から、それぞれの行動・言葉を紹介しながら振り返りました。「どこに政策的過ちがあったか」では、①「共生社会」の名の下の分断、②学力格差による分断・規範強化の教育施策、③教師と子どもが、人と人として出会えない・専門職性強化と教師の仕事の断片化を指摘しました。
三井絹子さんは、「50年間国立市で自立し市と地域と闘い続けてソーシャルインクルージョンの町が実現し始めている。どの場所にもしょうがい当事者がいなければ何も変わりません。フルインクルーシブ教育はしょうがいじの当然の権利で、学校も同じで同じ教室で一緒に学び関わり合うことが必要。一緒にいなければ子どもたちは変わりません」と国立での具体的な事例を交えて話し、終わりに、「ソーシャルインクルージョンは地域であたりまえに暮らすこと、それをあたりまえにしていくのがフルインクルーシブ教育です。地域の中で誰もが一緒に暮らしていけるように80歳がんばっていこうと思います。皆さんも各地域でがんばってください」としめくくられました。
野島さんは、小中高と養護学校で守られた生活から、34歳で女子高生に。通学も自力(スロープもエレベーターもない時代、後に駅員のために野島スロープもできたといいます)、初めての0点でこれが普通学級としみじみ分かった。あたりまえを取り戻したということです。
木村俊彦さんは、養護学校教員・地域活動の専従・市議会議員等しながら共育・就学問題・地域生活問題に取り組み続けています。埼玉の歴史にあった永田町・霞が関行動や「欠格条項をなくす会」でも中心的に動き、障害者基本法に「分け隔てられることなく」という文言が入ることにつながっていきました。木村さんは「2013年学校教育法施行令改定で原則分離から例外的に『認定特別支援学校就学者』だけが特別支援学校に行けることになっています。障害者権利条約も批准され、法的には整備されたが、分離教育分離社会で育ってきた保護者は療育や特別支援教育を望むことが多くなってしまっています」と指摘されました。「運用のレベルで差別が進行している」と小国さんがコメントされました。
山下浩志さんは「かつて地元で開いたシンポジウムで、バリアフリーを進めていくなかで人と人が出会うのかと問題提起され、アメリカの当事者は『人の手を借りるのは、自分の尊厳を傷つけられていると感じる』と発言された。だが実際にバリアフリー化が進んでいって手を貸す借りることがなくなり、関係性ができにくくなってしまった」と話されました。「制度は前進させなければならないが、その中に弱さもあることに気をつけていかないと」と小国さんがコメントされました。
最後に、埼玉の人権教育に取り組んできた石川享助さんは、ご自身の精神的な病をもつ家族との関係・葛藤から差別ということを自分の問題として考えるようになり、差別や人権問題と向き合ってきたそうです。差別をなくしていくために、もう一度子どもたちと向き合って丸ごと受け止めて、学ぶとはどういうことか問い直す必要があると話されました。
この後、シンポジストや会場からの発言があり、最後に小国さんが「生きること学ぶことを改めて原点から問うことが必要になっている」としめくくられました。
2日目の全体会では、それぞれの分科会報告とまとめの後、「学校教育法施行令第5条の『認定特別支援学校就学者』は特別支援学校に入学できる」(地域の普通学校就学が原則)や「各地の具体的共育共生の実践」をよりどころに、共に学ぶ・共に地域で生きる運動を進めていきましょうと「わけないでコール」でしめくくりました。


