第15回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会in旭川  「な~んも、地元の高校へ行けばいいしょ!!」 (会報2024年7月号より)

実行委員長 佐藤 祐

2年に一度開催されている「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会を絶やしてはいけないと、前回の久留米に続き、15回目を迎える今年は北海道・旭川市で開催することになりました。10年ぶりの北海道での開催になります。

1979年に養護学校義務化となり、それまでは障害のある子は養護学校にも行かなくてもいいと免除されていた時代がありました。それから時は経って2014年、国連の障害者権利条約を日本は批准しました。そして2022年8月ジュネーブで開催された障害者権利委員会において日本政府に対し初めての建設的対話が行われました。日本からは障害当事者含め市民団体として100名以上が現地に集結し、ロビーイングなどを精力的に限られた時間で行いました。その当事者のロビーイングの効果もあって、日本政府に対して分離教育を直ちにやめるようにと強い勧告が出されました。あわせて文科省から出された4・27通知についても撤回するよう言及しています。しかしながら、それに対して数日後に当時の文科大臣は反論的、日本の障害児教育政策の正当性を述べる記者会見を開き、私たちは落胆というか呆れるコメントを出しました。

私たちは、「共生社会」の実現のためには、学校において同じ場で共に学ぶインクルーシブ教育の実現こそが必要であると運動しています。高校においても共に学び地域で暮らしたいと希望する子どもや保護者とともに、受験時の配慮や定員内不合格を出さないことを行政に要請してきました。その結果少しずつ高校進学が可能となってきました。北海道ではここ数年の高校受験において、医療的ケア児や重度の自閉症、知的障害の方が普通高校に合格したといううれしい報告がありました(平田和毅さんは無事に今春卒業しました)。しかし、高校受験の根源には適格者主義が根強く、厚い壁が立ちはだかっているのが現実です。

どのような障害があったとしても、その子が希望する地域の高校で学べるように、いかにして入学拒否や合理的配慮の不提供に異議申し立てをし、「同じ場でともに学ぶ」インクルーシブ教育をどのように進めていくか、実現していくか。
今回の集会では北海道であった進学における今までの「闘い」や「対話」を世代を超えて総括し、今後の運動に全国の皆さんと共有しながら議論を深めたいと思います。学校長に対して勝てる見込みもない裁判(入級訴訟)を起こした者、高校進学定員内不合格に対して何年も弁護団や市民団体と共に闘った者、高校進学前から対話を繰り返し応援団結成のもと高校進学し、その後も対話で理解を獲得して卒業した者……これこそ北海道の強み、運動かと思います。そして、「いま」開催地の旭川で進めてきた、進めようとしている取り組みを報告したいと思います。そこに、かつての平田和毅さんの同級生も登壇して頂くので乞うご期待。また、道内で現在取り組んでいる方、全国からの報告もあります。

インクルーシブ教育はその世代の問題、「その子」だけに留まらず、その後の「周辺の人たち」の人生において、また社会に対して大きく影響します。ひとりの人間として尊重すること。社会が変わること。卒業後のことを考えること。家族と自分の未来を考えること。地域の学校に行く延長線にある地域生活(自立生活)を見つめること。
学校生活が終わるやとたんフリーズするのでなく、その後の本人・家族の生き方を考えるべきで、そうでなければインクルーシブ教育を求めて闘ってきた意味がないと思います。その蓄積がうねりとなり、そのあとに続く本人・家族が「当たり前」に地域で生きていける環境をつくらなければならないと思います。教育と福祉がシームレスであり、生まれた瞬間から多種多様な人たちと関わる仕組みが必要です。それこそがあるべき社会ではないかと思います。

紅葉の北海道旭川、美味しい食べ物と美酒、交流会も行います!

旭川にて10年ぶりの北海道開催!
「な~んも、来ればいいしょ!、ついでに地元の高校へ行けばいいしょ!」の気持ちでお待ちしています!
どうぞ秋の北海道へ。今秋来るべきところは北海道旭川、間違いなし!! うん。
キーワードは「なにも難しいことは言っていない」(実行委員長) 

全国の皆さんへ参加を呼びかけます。美味しい味覚と涼しい(寒いかも…)大地で熱い議論、交流する方をお待ちしています。たくさんの方と交流しましょう。議論や自身の中で起きた化学変化を大きな輪に広げましょう!!

さぁー、今すぐ飛行機とホテルの手配をしましょう。
皆さん、10月旭川でお会いできること楽しみにしております。

以上

申し込みはこちら
https://japaninclusiveeducation.org/seminar20241005b/