第15回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会in旭川、盛会に!
集会実行委員会 事務局長 平田江津子
去る10月5~6日、無事、高校全国交流集会を執り行うことができました。皆様方におかれましては多大なるご協力をいただき、誠にありがとうございました!
実はこの集会を旭川で…というお話をいただいたとき、文科省に右にならえ的な仕事をする旭川市の教育行政とこの集会の雰囲気とのギャップが大きいため、気が進みませんでした。しかし、だからこそ、旭川市に持ち込む必要性があると受け止めたこと。そして息子・カズキが普通高校に入学してから卒業までの4年間、全国の皆様がどれだけ支え、応援してくださったのかを思い、この開催がご恩返しになるなら…と思い切ってお引き受け致しました。
約1年間かけて、月一度の実行委員会と事務局会議を積み重ね、この集会に取り組んで参りました。その中で私自身が大切にしてきたことは、「今まで会ったことのない旭川の人に会いに行って話しをすること」でした。市議、児童デイサービスを統括する人、ロータリークラブ、医師会などを訪れ、集会PRと後援や協力金のお願いはもちろんのこと、息子の普通学級ライフの動画を見ていただき、私たちの活動の趣旨を伝えて歩きました。ほとんどが快く受け止めてくれたことから、こちらが偏見をもたずに心を開き、伝わる言葉を探りつつ対話をしていく努力が、今後求められることだと思いを新たにしました。
いよいよ当日。全国の約200人の参加者・関係者(北海道外からは約70名)が集う中、カズキと中学時代のクラスメイト5人によるコントで幕開け。仲間たちのセリフの合間に「だって、しょうがないじゃ~ん」と度々登場するカズキ。つかみはオッケー!!参加者の胸にこの2日間へのワクワクを与えてくれたと思います。
実行委員会の皆で妥協せずに時間をかけてつくった全体会
一つ目は「北海道のとりくみから高校問題を再考する」こと。北海道で「ともに学ぶ」ために闘い、行動し続ける象徴的な4人(組)に登壇していただき、体験が語られました。コーディネーターを務めた東洋大学の一木玲子さんが「北海道は30年かけて普通高校入学への道を拓いてきたが、現実は険しい『けもの道』で、歩く人はまだ少ない。多くの人がその道に進みたいと思えるよう『舗装』していく作業が必要」とまとめ、今後の運動の方向性へのヒントをくださいました。この後の分科会でさらに深めることにもつながりました。
二つ目は「共に学んだ3年間とその先の高校進学へ」。旭川で開催するなら、ぜひこの「カズと仲間たち」の全容を皆さんに体感していただきたい! という思いを実現できた、とてもうれしい企画となりました。「とにかく3年間、とっても楽しかったです!」と、中学時代のカズキの担任だった曽我部先生の第一声から始まり、子どもたちが次々と思い出を振り返りました。「カズは私たちをよく見ていると感じる場面がたくさんあった。一緒にいればわかること」「私たちはカズキと楽しく過ごしてきたのに、高校がカズキを拒否したことは悲しかった」「オトナは考えすぎなのでは」|かれらにとってカズキは「単なる仲間の一人」。私たちオトナにとっては重いと感じる言葉の数々は、わざわざ言語化したもの…そんな風にも感じました。
そしてこの集会のもう一つの目玉ともなった「懇親会」。ラーメン屋を営む高校時代の友人たちは「俺たちに任せろ!」と旭川ラーメン、ジンギスカンから富良野メロンまで、北海道の味覚を提供してくれました。会場からは「美味しい! お腹いっぱい!」という声が♡ある意味、地域の仲間にこの集会の意義を受け止めてもらった上で力を借りることができ、参加者の皆さんに喜んでいただけたことはとても意義のあることだったと感じています。
終了後、「大成功、おめでとう!」とたくさんの声かけをいただき、疲れも吹っ飛びました! 全国集会のすばらしさは、同じ目的に向かって歩む多くの全国の仲間と「会える」ことで、迷わずこの道を行けばよいのだ、という確認ができることで元気になることではないかとしみじみ感じました。
それぞれが住む地域で、その人の価値、そして弱さと見えることも「だって、しょうがないじゃ~ん!」と受け止め認め合う学校、そして社会をめざして!みんなで楽しみながら取り組んでいきましょう!
旭川市市民活動交流センターCoCoDe