2024年 全国連を振り返る...(会報2025年4月号)

障害児を普通学校へ・全国連絡会 代表 長谷川律子

 新年度を迎えましたが、今年から総会が6月になりますので、それまでは前年度体制ということで、今回は長谷川が書かせていただきます。
 昨年は自然災害の日本列島となってしまいました。日常生活が破壊され命を落とされてしまったご家族、友人、職場の皆様、本当に辛かったですよね。具体的な行動が出来なくて、申し訳ございませんでした。そして、春分の日の前日東京は雪でした。途端に交通機関は乱れました。大災害が発生したらどうなるのか? 3・11と重なってしまいました。

 2月21日に、院内集会を開催することが出来ました。会場の横断幕は「普通学級就学希望を拒むな!」 いいですよね!  全国連は、これまでの「普通学校」を「普通学級」へと、名称変更を本格的に議論し考える時期と思いました。いかがですか。参加者の多くの方々も「学級」と発言されていました。昔、地域の子どもは、「地域の学校」へと言っていました。学校と学級の違いを意識していませんでした。だからよく聞かれたのは、「地域の小学校でいいのですか?」と1960年代には特殊学級がありました。2007年に学校教育法の一部改正で、特殊学級から特別支援学級と名称変更が行われました。
 院内集会で、「50年近く〝共に〟を訴え続けてきたが、何も変わらなかった。ぐるぐると回っているようだが、子どもを真ん中に〝人権の確立〟を今こそ―」と訴えられた発言者。感想文として「先人たちが結局なに一つ変えてくれなかったから、私たち母子は今もこんなに苦しんでいるのだと。だから私は、後進たちが酷い目に遭わないで済むように、日本を変えようと思いました」と力強いメッセージをいただきました。
 文科省は法改正をしたり、法解釈の修正又は追記を、運動や国連勧告によって行なったりしています。新しい制度の新設等で、すっきりするどころかややこしくなっている感じです。法律用語の読み込みは困難で、ひょっとしたら官僚も頭をひねっているのか?だって「インクルーシブ」を「インクルーシブ・システム」なる表現をして、私たちをいいくるめようとする策略では? と思っています。
 やはり、「運動の継続は力なり」を確信です。普通学級へ胸を張って入学する親子を支え、共に歩む力強い全国連でないといけませんね。〝共に〟は、障害の種類・程度等で分けないことです。
 〝特別〟は、障害の種類・能力で分けています。親は、我子を丸ごと受け止めているはずです。健常児と障害児を比べっこしたって、そもそも違うんですから。違いは違いとして認め受け入れ、比べっこしないことです。この世の中に誰一人として同じ容姿の人っていないじゃないですか、だからおもしろいでしょ。小さい頃は、成長に差は出ます。専門書や専門家、宗教に振り回されてノイローゼ気味になってしまう頑張る母さんたち、気がついてください。私自身もそんな過去がありました。
 昨年6月からはじまった「全国連おしゃべり会」は、子ども時代を思いださせる楽しいひと時になっています。ぜひ、いらしてください。出前もします。(体力的に遠くなければ?)

 昨年から今年にかけて、大切な人がたくさん天国へ行ってしまいました。全国連にとっては、大切な大谷恭子弁護士がいらっしゃいます。3月15日、お別れ会が行われました。会場に入ると、大きなスクリーンに映し出された弾けんばかりの大谷さんの笑顔が参加者を迎え入れてくださいました。
 大谷さんには、全国連の学習会・全国集会の講演等をお願いしてきました。1999年発行のブックレットNo.14『原則分離の法制度を変えよう』をもう一度読み返し、今後につなげられたら、嬉しいです。
 そして、遺稿本となった『分離はやっぱり差別だよ』には、「発達保障論と共生共育論の融和」が遺されていました。エッと思われる言葉に、これこそぐるぐるの頭になってしまいました。本年12月には日弁連の人権擁護大会で、インクルーシブ教育がテーマとなるそうです。参加したいと思っています。
 今年度の新体制で共に前に進みましょう。