お悩みQ&A 居残り勉強を毎日してくるの ですが....(会報2025年9月号より)

東京都・運営委員 片桐健司

〈相談〉 小学校中学年です。今、子どもはほぼ毎日居残り勉強をやっています。あまり勉強は得意でなく、居残り勉強をしてもほとんど身につかないこともあって、負担が大きくみえます。現在は、負担にならない程度に、理由を作って帰ってくるようにしているのですが、この対応でよろしいでしょうか。

〈お答え〉 はい、それでよいと思います。よく考えれば、先生は子どものことを考えて、他の子に勉強が遅れてはいけないと一所懸命やってくれているのかもしれません。熱心でとても良い先生にみえますが、残された子どもの気持ちがわかっているのか疑問です。

 かつて、忙しい先生が子どものために時間をさいて子どもの勉強をみてくれるということで、居残り勉強をさせる先生はとても良い先生と言われたことがありました。ただ、勉強のできる子は早く帰れる、勉強のできない子は残されるということで、居残り勉強をさせられる子は「できない」子だというイメージが固定化され、子どもたち関係に差別意識を生むという話も出るようになり、居残り勉強の問題が指摘されるようになりました。

 先生と子どもが授業の続きのような形で放課後話し合ったり、調べたりするのはとても良いことだと思いますし、ここさえわかればこの子の先が開かれるというときに、残って学ぶということは、決して悪いことではありません。ただ、毎日同じ子が残されて補習授業をするというのは、お勧めできません。

 放課後というのは、学校に残って、あるいは家に帰ってから友だちどうしで過ごす大事な時間でもありますし、子どもによっては、家に戻って自分の好きなことをする貴重な時間であるかもしれません。その時間はできるだけ大切にしてあげたいです。まして、その時間に、無理に残されてやりたくない勉強を「その子のため」という言い方で強制されるのは、子どもにとってはたまったものではありません。
 子どもが何かをできるようになるのは、上から教えられてそうなるのではなくて、子どもの中から生み出されるものです。先生がそういうきっかけを作ってあげるのは大切ですが、それは、毎日無理して残してできることではありません。いやいやながらの残り勉強というのは、ほとんど意味がないと思います。
 ある学校では、学力テストの平均点をあげるために、点数の低い学級は、休み時間や昼休みを使って子どもたちを勉強させているという話を聞いたことがありますが、それも良いことではありません。子どもの休み時間も奪ってはいけないと思います。点数をあげるために、あるいは、学力をあげるために、子どもの時間を奪うことは、子どものためにはなっていません。遊びや友だちとの関係の中で、子どもは育っていくということを、あらためて考えましょう。