今年の就学相談の状況 ︱ 就学相談に疲れ果てて… ︱(会報2025年11・12月号より)
東京都・運営委員 片桐健司
「今年の就学状況について、11月号の巻頭に書いてください」と編集長から言われて、「ちょっと待って~、今年はそんなに相談きていないんだよな~」というのが、私の正直な思いでした。
例年、小学校、中学校入学に際してかなり深刻な相談がいくつもきていたのですが、今年は全国連絡会への就学に関する電話相談がほとんどなく、ホームページを通しての相談が多少あっただけでした。各地で共に学ぶ教育に理解が広がって、問題が少なくなり、希望通り皆さん普通学級に入れるようになった、とするならいいのですが、現実には、生まれたときから分離が進んで、就学するときにはほとんど特別支援学級、特別支援学校に入学するレールが敷かれてしまっているのではないか、そんな心配もしています。
相談がきた中では、小学校から中学校に入る方からの相談がありました。車いす利用の息子さんは、小学校はなんとか普通学級に入ることができました。医療的ケアの必要、軽い知的障害もあって、苦労しながらでしたが6年生まできました。医療的ケア児の支援法もできて、看護師もつき、助けられたそうです。しかし、中学入学にあたって地元中学校に入学を希望しているのに教育委員会の壁が厚く、話が思うように進まないという相談です。就学相談に疲れ果てたとありました。
全国連のホームページ、相談からコーナーに、「就学相談は受けないほうがよい」と書いてあるのを読んで、どういうことか聞きたい、とも書いてありました。
ホームページからの相談で、連絡先はパソコンのアドレスになっていたので、「一度電話で相談したい、事務所に電話ください」とメールで返事をしたのですが、電話がありません。どうしたのかなと思っていたら、ひと月近くたって、「前にメールをしたのですが、返信がないようです。届いていますか?」とメールがありました。こちらの返信が何かの理由で相談者に届いていなかったのです。びっくりして、再度メールを送りましたが、やはり連絡がありません。電話でもできるといいのですが、電話番号もわかりません。迷惑メールとしてこちらからの返信がはじかれてしまっているのかもしれません。とても大変な思いをされているようで心配なのですが、この巻頭文はホームページにも載るので、もし見たら一度事務所に連絡をしていただけたらと願っています。
この話で分かるように、いまだに障害のある子が普通学級に入りたいと言えば、教育委員会、学校の壁が大きいのは相変わらずのようです。
同じように、ホームページから相談があった方で、この方は小学校入学を前にしての不安を抱えていました。言葉がまだでていないので、学校がちゃんとうけいれてくれるのだろうかと心配されていました。実は、この方も、メールアドレスしか連絡方法がわからず、一度電話で話したいとメールで伝えたのですが、すぐに連絡がありませんでした。先の方と同じように返信が届いていないのかなと心配したのですが、私が事務所当番である火曜日に電話がかかってきました。電話で、就学までにどんなことがあるか、学校にどんな形で伝えたらよいか、などをお話しました。すでに就学相談をしていて、普通学級は難しいと言われているそうですが、法的には本人・保護者の意向が尊重されること、最後までがんばれば希望はかなうこと、付き添いなど要求されるかもしれないが、はっきり断ること、などをお伝えしました。学校に入ったら、さまざまな形で支援が受けられるはずだから、まずは就学通知が届くまでは意思を貫くことが大事とも伝えました。
かつては、普通学級に障害児を入れさせないために、就学通知を送らない意地悪をする教育委員会もあったのですが、最近はそういう話はあまり聞きません。いやなことを言われても、精神的に落ち込んでも、これからの何か月かはがんばってほしい、何があるかわからないので、全国連とはこまめに連絡をとりあおうという話をしました。
相談があったわけではありませんが、全国連の集会に参加し、普通学級に入るのは当然と、来年の小学校就学をひかえてこれから学校とどう話し合っていこうかと考えておられる方もいます。いろいろな子が地域の学校に入って、学校を変えていってほしいと思います。

