お悩みQ&A のこぎりが使えないので家でやってほしい、マット運動は見学でいいかと言われ…(会報2026年2月号より)
東京都・運営委員 片桐健司
〈相談〉 中学生です。技術の時間にのこぎりをうまく使えない、線を引くときにまっすぐ引けないので家でやってもらえないか、と学校から言われました。また体育の時間に前転、後転ができないので見学でいいかと言われました。のこぎりや線引きはうまくできなくてもいいから学校で対応してもらえないか、前転、後転ができなくても他のやり方で参加できないかと聞きましたが、指導要領に示されていないことは評価できないので無理だと言われました。本当にそうなのでしょうか。
〈お答え〉 学校は、できない、わからない子どもにできるように教えるのが仕事ですから、それを親に頼むのはおかしな話です
うまくできない子がいたら、どうしたらできるようになるかいろいろ工夫するのが先生の役目です。それを親にやらせようとするのは、あってはいけません。子どもに「障害」があるから、(本来ここにいてはいけない子なので)親にやらせておけばいいという差別的な考えがあるように感じました。マット運動にしても、いろいろな参加の仕方があるわけで、その子なりにできることをやりながら授業に参加するのは当然です。見学させるのは子どもの教育権を奪っているとも思える対応です。
のこぎりで言えば、学校は、作品を仕上げなければいけないという考えで、それには親に手伝ってもらわなければと思ったのかもしれません。一定の時間内でということで、ゆっくりの子には厳しいのかもしれませんが、それも含めてその子なりの作品をどう作るかを工夫してほしいものです。
マット運動にしても、様々な運動があるわけですから、その子が参加できるやり方を考え、見学ではなく、少しでもその子に参加してほしいという気持ちをもってほしいと思います。
指導要領の目標はあくまで授業する際の参考程度のもので、それができなければ評価できないということはありえません。評
価は、その学習の目標に到達したかどうかもありますが、到達しなくても、興味や関心をもって参加していたか(楽しんでいた
か)、一生懸命がんばったか、前に比べて進歩しているか、など様々な観点があります。その学年の目標にはなくても例えば、字の読めない子が読めるようになったら、それはすごく進歩したわけでその点でいえば、高く評価できるわけです。
今回の相談では、学校のコーディネーターの先生が関わって親に話がもってこられたということですが、コーディネーターの本来の役割は、そういう場合に先生方がどういうふうにその子に対応するかをアドバイスするのが本来の役目ですから、かなり誤った対応をしていたことになります。コーディネーターの役割については、またいつか書いてみたいと思います
